2023年からの約3年間にわたる現実の観測結果をもとに、一般的な「月回帰(ルナ・リターン)」と「月逆回帰」を組み合わせた、実践的な現実予測の視座をご紹介します。
月回帰と月逆回帰とは:受動的変化と能動的変化の二重奏
まず月回帰と月逆回帰はいずれも、占星術において読まれるホロスコープ(天体図)のことです。
それぞれの人の出生図を基準とした月の位置に現実の月の位置が重なった瞬間の天体図を扱います。
月回帰(ルナ・リターン)とは、現実の月が自身のホロスコープ上の月の位置に戻る瞬間の天体図を指します。
約28日ごとに訪れるこのタイミングは、その一周期で私たちがどのような「感情の相」を完成させるかを示しています。(月回帰で28日後の自分の心境を予想できます)
それに対して「月逆回帰」は、現実の月が自身のホロスコープの月の真反対側に位置する(鏡合わせになるポイント)瞬間を指します。
月回帰と月逆回帰の違い
個人的に3年観測した実感としては、それぞれ以下のような違いがあると思いました。
- 月回帰:
- 28日間かけて移り変わった結果、どのような感情的着地点に辿り着くか。いわば「受動的な結果を象徴する天体図」です。
- 意味を実感するのは、周期の終盤(21〜28日後)になってからが多く、「振り返って見ればそうかも」と思うことが多いです。
- 月逆回帰:
- この28日間、どのような外的なモチベーションに突き動かされるか。いわば「能動的な行動を象徴する天体図」です。
- こちらは周期の初日からモチベーションの方向性が明確に分かることがあります。そうでない場合は、月回帰と同様に21~28日経過後に振り返って分かることもあります。
月回帰と月逆回帰のホロスコープは「Astrodienst」で確認しました。(無料)
月回帰で示される象徴はどのように現実化するのか?
月回帰を見れば、人生の予言が分かるのかと思うかもしれませんが、残念ながらそうではないとまず結論として言っておかなければなりません。(方向性の予想に役立てることは可能です)
AIが人間の問いに対して平均的に正しい回答しか返さないのと同様に、月回帰も出生図から概ね割り出せる状況を出しているに過ぎないと私は思います。
つまり月(逆)回帰を読み解く際、最も重要なのは「サビアンシンボルを予言として扱わない」ことです。
1周期(28日)の間で状況が固定されるとかでもない限りは、基本的に起こることの具体的な出来事は読めません。(少なくとも私の力量では、ドンピシャで当たったことはありません)
28日が経過するプロセスの中では、予想外のアイデアや偶然の状況が飛び込んでくることがあります。
月回帰の図は未来で起こるひらめきや偶然の出来事が合わさって、初めて意味がピンとくる場合もあるため、月回帰の図から事前に将来の正確な予測はできません。
(一般的な活用法としても28日経過後に、振り返るように確認する使い方をすることが多いです)
では月回帰で何が分かるかというと、生成AIに質問するのと一緒で、出生図を基準にした人生が現実化する大まかな方向性だと思います。
そしてそれは運命ではないため、自分の行動で月回帰で示された象徴的な予想を外すことができます。
まあ自分の予測の限界は自分で超えられるということではないでしょうか。
月回帰が示す現実化する未来のスケールを左右する「生き方の質」
ホロスコープを読み解く際に見るのが度数であり、各サインに1~30度の割り当てがあります。
そして度数にはサビアンシンボルという数字(度数)の意味を表す詩(比喩)が割り当てられています。
例えば、蠍座1度の詩のタイトルは「観光バス」です。
蠍座のサインは人間の感覚のうち生命感覚※1と対応しています。
また、1度とは象徴としての1の意味である「始まり」を意味します。
例えるならば、ボールを投げる瞬間に力を込めるようなものでしょう。
「観光バス」とは蠍座1度の感覚として、同じ目的を共有する人間が観光バスのような閉鎖的な空間に集まった時の感覚を比喩的に表しています。
※1(対人関係の圧力や外部から印象を受け取る時のような感覚です)
サビアンシンボルはあくまで象徴であり、各度数が持つ感覚的なニュアンスを意味しています。
答えとして解釈すると盛大に間違うので気をつけてください。
また、異なる人のホロスコープで同一のシンボルが出ることがありますが、人によって現実化する現象と意味が異なります。
その人の「生き方の質」や意識の階層によって、現実化のスケール感が大きく変わるからです。
例えば、蠍座29度という度数があります。
ある人にとっては「これまでの環境への深い失望と決別」という大きな転機として現れます。
一方で別の人にとっては「新しい職場のルーチンに慣れるのが少し億劫だ」という程度のニュアンスで現れることもあります。
また、サビアンシンボル自体は両義的な意味を持ちます。
例えば先程の蠍座29度は、自分が失望する場合・誰かから失望される場合の両方の意味を持っており、さらに実際の意味と現実化する現象は28日経過してみないとわかりません。
(意味自体も答えがあるわけではないので、自分で解釈して考える必要があります)
それから、月回帰が示す図よりも現実のパフォーマンスが良かった・悪かった場合は意味的にピンとこないことがあります。
どんな現象として現実化するかは、これまでの生き方とその瞬間の私たちの意識のあり方次第なのです。
月回帰・月逆回帰のホロスコープの見方と読み方
Astrodienstで出生図を出力する
月回帰・月逆回帰のホロスコープ(天体図)は、以下のサイトの「出生データによるいろんなチャート」のページで出力します。
- 無料会員登録は任意。なしでも使えたと思いますが、データ登録数に制限があったはずなので登録は任意で行ってください。
- 初回はデータ追加から始める(生年月日と分かるなら出生時刻・出生地域を入力)
- 使ったことがある場合は、出生データエリアのAddから追加か、すでにある自分のデータを使います。
- ホロスコープを出力
チャートタイプの一覧から「月回帰」または「月逆回帰」を選択して「クリックしてチャートを表示」ボタンを押すと図が表示されます。
チャート表現様式は「標準のチャート様式」が見やすいと思います。
デフォルトの設定では表示されない感受点があるので設定を変更します。
- ページ上にある「その他のオブジェクト」を展開
- 「一般的な要素:」のリストから「パート・オブ・フォーチュン」と「バーテックス」をShiftを押しながら複数選択
- ホロスコープを出力
- 初期値として保存する
ここまでやったら準備完了です。
ホロスコープ上で読むべき天体と感受点
ホロスコープ上には以下の図のように天体や感受点の表示があります。
なお、基本的な読み方として表示度数の1度進めた度で読みます。
(例えば、太陽◎は牡羊座サインの22度ですが23度として読みます。)

月回帰・月逆回帰の図で主に見るべき部分は画像の赤丸で囲ったところです。
最も実感しやすいのは感受点のACとMCです。
ACは最初の展開を示す部分で、初日から7日、遅くとも14日目ぐらいに意味が分かります。
MCは14日目~21日目ぐらいに感情や心境的なピークとして実感することが多いです。
◎(二重丸)のマークは太陽を表しており、自己の意思決定の方向性として実感することが多いです。
魚座26度にある水星は言語や推理に関する方向性です。考え事のテーマや方向性のざっくりしたニュアンスです。(ちなみに哲学的な深い思索は木星の領分です)
バーテックス(Vt)は、かなり大雑把に言うと周りの環境・人間関係を前提に求められる役割を意味します。
真反対にはアンチバーテックス(AVt)があり、環境・人間関係を前提にした自分が成すべき方向性を表します。
(宿命や使命と言うこともありますが、強制力の意味が強く出すぎる気がするのでそこまでではないと私は思います)
魚座の6度にある丸に十字アイコンが、パート・オブ・フォーチューン(PoF)です。
幸運のありか・豊かさを象徴すると言われてます。
経験上の解釈では苦もなく楽に続けられること、その方向性を表します。
ホロスコープ上で読まなくてもいい天体について
上記画像で囲ってないところは生活で実感しにくいのであまり重要ではないと考えます。
月回帰で読むのは短い周期の出来事ですし、公転周期が短い(動きの早い)天体の方が生活での影響を感じやすいです。
社会天体に属する土星、トランスサタニアンと呼ばれる天王星・海王星・冥王星は、公転周期が長いため、28日程度では大きく動きません。
社会の動きや世代の動きを読むために参考にする天体でもあるため、個人の生活のサイクルで読むにしては影響範囲が大きすぎて参考になりません。
火星と金星は動きが早い天体に入りますが、28日間の中で特定のテーマや方向性として解釈しにくいと思ったので入れていません。
個人的な解釈として火星は短期的なやる気、金星は生活の楽しみや娯楽といったものに該当すると考えると、該当する瞬間が多すぎるなと思いました。
(検証してみて参考になるなら、解釈の材料に入れてもいいと思います)
月回帰での現実予測で特に注目すべき重要サビアンシンボル
私自身の月回帰・月逆回帰を3年間現実で観測・照合し続けた経験から
- 特に大きなイベント
- 内的な激しい変容
として分かりやすく現れやすいサビアンシンボルをいくつかピックアップします。
ただし前述したように、「生き方の質」や意識の階層によって、どの程度のスケール感で現実化するかが変わります。
以下では各サインの度数の意味を書きますが、書いた通りのことが起きるとは限らないということは忘れないでください。(分かるのは起こる出来事のニュアンスや方向性です)
1. 環境のリセットと自立のサイン
- 牡羊座28度「落胆させられた大聴衆」: 周囲の期待や反応に依存する意識からの脱却。真の意味で自立するタイミング
- 双子座28度「破産宣告された男」: 人間関係や物理的な環境の強制的なリセット。何らかの仕切り直し
- もちろん現実での破産を意味するわけではないので誤解しないように
- 蟹座27度「渓谷での嵐」:環境の変化の察知
2. 内省と対人関係の転換
- 牡羊座17度「2人の堅苦しい独身女性」 :内省的な出来事が起きる。自分自身や他者との向き合い方が根本から問われる
- 天秤座17度「引退した船長」:対人関係に関する失敗の内省
- 水瓶座17度「ガードをしている番犬」: 対人トラブルからの防衛、あるいは自身の加害性への気づき。
- 実際に対人関係の防衛はあった
3. 宿命的な展開と解放
- 蠍座29度「酋長に自分の子供たちの命ごいをするインディアンの女性」: 何らかの別れや、悲しみを通じた深い変容や出来事
- (他人の様子だが、家族があまりにも世間知らず・無知だったので失望していた)
- 射手座19度「住処を移動するペリカン」: 片付け物の移動、入院など人の移動、あるいは思考の変化
- (実際にあったのは老犬の介護の後片付けと家族の入院)
- 水瓶座18度「仮面がはがされた男」: 何らかの事実が暴かれる(受動的意味)・暴くか(能動的意味)、本来の自分に返る(統合的意味)
- 魚座9度「騎手」: 準備が整わないまま、新しい展開へ飛び込む。
- WEBライターの仕事を過労で休職する際のサビアンでした
状況によっては重要なサビアンシンボル
自分が置かれている状況によっては、現実で展開するイベント予測の目安になるサビアンシンボルがあります。
サインごとにリストアップするので、参考にしてください。
牡羊座の度数(自我感覚)
| サイン度数 | ニュアンス | 数の原理 |
|---|---|---|
| 牡羊座4度 「隔離された歩道を歩く二人の恋人」 | ・推し活や親しい人との時間 ・自我感覚×4(着地・共感) | 偶数 4:着地・安定・静止 |
| 牡羊座12度 「野生の鴨の群れ」 | ・自然の秩序に従う ・自我感覚×3×12(既存体系とは異なる秩序) | 偶数 原意3:生産性・運動 10(既存体系・価値観)+2 |
| 牡羊座21度 「リングに上がる拳闘士」 | ・能動的に獲得する ・自我感覚×3×21(自立性のある外的生産活動) | 奇数 原意3 10+10(中和)+1 |
| 牡羊座22度 「欲望の庭に続く門」 | ・受動的に引き寄せる ・自我感覚×4×22(自立的かつ安定した内面的な場の構築) | 偶数 原意4(2+2) 10+10(中和)+2 |
| 牡羊座23度 「重く価値があるがベールに隠された荷を運ぶパステルカラーの服を着た女」 | ・能動と受動のエネルギーを使い分ける ・自我感覚×5×23(自立的な創造性) | 奇数 原意5(2+3) 10+10(中和) |
牡牛座(思考感覚)
| サイン度数 | ニュアンス | 数の原理 |
|---|---|---|
| 牡牛座8度 「雪がまだ降っていない時期のソリ」 | ・置かれた環境に対する準備を行う ・思考感覚×8(肉体的自己が環境適応するための蓄積と判断) | 偶数 |
| 牡牛座18度 「バッグを窓から外へ出している女」 | ・思い込みの点検や物の掃除・断捨離 ・思考感覚×9×18(身の回りを通じての内的探求) | 偶数 原意9(1+8) 10+8 |
| 牡牛座24度 「馬に跨ったスカルプロック姿のインディアン」 | ・遺伝的肉体の限界を超える ・己の立場を脅かす対象に対する防衛心 ・思考感覚×6×24(肉体の遺伝的可能性において限界を超える) | 偶数 原意6(2+4) 10+10(中和)+4 |
蠍座(生命感覚)
| サイン度数 | ニュアンス | 数の原理 |
|---|---|---|
| 蠍座1度 | 同じ空気感を共有する | 奇数 1:始まり・衝動性 |
| 蠍座2度 | 境界がなくなる・打ち解ける | 偶数 2:反応・手応え |
| 蠍座14度 | ・人の縁の整理 ・生命感覚×5×14(内的な創造性×同一性の認識) | 偶数 原意5 10+4 |
| 蠍座19度 | 空気の言語化・リーディング 動物的会話 ミラーニューロン的な交流 実例:老犬の介護 生命感覚×1×19(始まり・衝動性×地上的活動+哲学的思想) | 奇数 原意1 10+9 |
山羊座(均衡感覚)
| サイン度数 | ニュアンス | 数の原理 |
|---|---|---|
| 山羊座1度 | 新しい目標を打ち立てる・明かす | 奇数 1:始まり・衝動性 |
| 山羊座2度 | 既存・旧来の価値観の崩壊・脱却 | 偶数 2:反応・手応え |
| 山羊座11度 | ・既存の価値観に対する少数精鋭的な組織活動 ・またはそういったエリート的価値観のグループに属する ・均衡感覚×2×11(既存の価値観に対抗するような精鋭組織・グループ) | 奇数 原意2 10+1 |
| 山羊座12度 | ・限定された場で自然や人間など未知の分野について研究する ・均衡感覚×3×12(少数で探求・共有される未知の知識) | 偶数 原意3 10+2 |
28日間の「波」を乗りこなすために
月回帰の予測は、具体的な「何が起こるか」を当てるためのものではありません。
28日間に発生する偶然はあらかじめ計算できないからです。
しかし、「どのようなニュアンスの28日間になるか」を予想する材料にはなります。
予想の精度は、自分が置かれている環境の分析精度によって変わります。
個人的には当たるかどうかではなく、自分の人生の道について考えるベースとして使うのがいいんじゃないかと思います。
主な参考資料
PR有
以下の資料を前提知識としています。
優先度としては
ディグリー占星術≧三次元占星術≧完全マスター西洋占星術>数の原理で読むタロットカード>星と人間
です。
入門は「完全マスター西洋占星術」
どれか1冊だけ選ぶなら「ディグリー占星術」
深く踏み込むなら「三次元占星術」
根本的な思想を知るなら「数の原理で読むタロットカード」「星と人間」
色んな意味で上級者向けです。
占星術で扱う天体や星座(サイン)が人体とどう関係しているかなどが分かります。
ホロスコープをある程度自分で読めるレベルになってから、読むかどうか考えても遅くありません。
ただし解説口調ではないため、論理的に読んでも意味内容は理解できません。
ルドルフ・シュタイナーの書籍はどれもある種の読解力が求められます。
完全マスター西洋占星術は2もあるけど、占星術の基礎的知識が載っているのは1(無印)です。
辞書のように分厚く値段もそれなりですが、体系的にまとまってるので初心者には最もおすすめです。
占星術の基礎本というよりは、サビアンシンボルの読解本だと思ってます。
数の原理を土台にして1~30までの各度数のニュアンス解説が載っています。
サビアンシンボル自体は雰囲気であり、解釈の精度は数の原理という骨が支えています。
意識の構造に基づいた本格的な占星術の知識が体系的にまとまっています。
ただ神秘学分野の用語が当たり前のように使われているので、初めて読むにはなかなか歯ごたえがあるかと思います。
相似形・フラクタル的な物の考え方になじんでないと読めても理解はできないかもしれません。
私は占星術における恒星の概要と解釈が書いてあった数少ない本だったので買いました。
絶版なので中古で入手するしかありません。数字の原理をタロットの絵柄から読解するという内容で、数字と対応する普遍的な象徴性、人間共通の意識体験の違いを想像するのに役立ちます。
占星術そのものは数の原理に支えられており、象徴としての数字の理解なくして解釈の再現性は保てないと思います。

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