格差といえば、悪い環境×能力が低い=格差構造で不利な境遇に立たされる、というのが一般的なイメージかも知れません。
当ブログでは、格差は個人の責任だけで生じるものではなく、置かれた構造や条件から生じる側面もあると考えています。
そしてそれらを把握することで、自分が置かれた格差構造の位置が移動する可能性もあるという視点で扱っています。
また、ここまで読み進めたということは、現象を構造として捉えようとしています。
結果の違い、人間にある差を構造的に整理することが、このテーマの出発点です。
格差は能力差なのか、構造差なのか
格差といえば、能力やスキルを前提とした境遇の差を指していることが多いと思います。
例えば、「スキルがない」「お金がない」だから「境遇が悪い」というイメージが一般的なはずです。
そして置かれた格差は変えにくいものであり、一生続くことが多いとほとんどの人が思っているのではないでしょうか。
当ブログでは
- 置かれた立場
- 使えるリソース(人脈・知識・経済・時間など)
- アクセスできる情報の種類・質・量・深度
- 初期条件(生まれや育った環境)
といった条件によって生じる差という前提で書いています。
個人の能力やスキルの差は上記の前提から生じる結果であり、格差の意味そのものではないという点で一般的な捉え方とは少し視点が異なります。
また、格差の構造シリーズでは、上記の条件を客観的に把握することで、より良い境遇に向かっていける選択もできるという視点も扱っています。
常識は誰の前提で作られているのか
人は特に理由がなければ、明日自分が死なずに生きている可能性が高いだろうと何となく思っています。(脳のリソースを余計に消費しないために、人はそう考える傾向があります)
同様に自分が常識だと思っていることも
「昔からこうだったから、これからもそうだろう」
「今まで大丈夫だったし何とかなるだろう」
と無意識に思っていることが多いです。
(逆に「今まで運が悪かったから、これからもそうかもしれない」というネガティブ方向の予測もあります。どちらかといえば悪い予想の方が身に覚えがあるかもしれませんね)
個人の常識以外に社会の常識というのも同じことが言えます。
認知負担を減らすために、解釈や手順がその社会を構成する集団に合わせて何となく定式化していくものだと思います。
こういった常識はずっと変わらないと人は思いがちです。
ですが、アナログからデジタル普及、ガラケーの時代からスマートフォンが登場したように、社会の常識というのは常に変わる可能性があります。
そういう常識の変化は、変えざるを得ない社会的な出来事や技術が人間の労力を減らしてくれる時などに起きやすいです。歴史を調べれば何度も変化し続けています。
今の常識というのは絶対不変でもないし普遍ではないので、日々の選択もそうした前提を意識してみると見え方が変わることがあります。
なぜ同じ情報を見ても結果が分かれるのか
人は同じ情報・同じ景色・同じ物を見たとしても同じ解釈をしているとは限りません。
もちろん人は共感する力があるので、友達と一緒に遊びに行ったなら楽しい時間を共有することはできます。
逆に、知り合って日が浅い人・付き合いで行ってるだけという場合は、また違う空気になるでしょう。
同じ情報・同じ景色を見るとしても、誰と行くかで共有する情報の種類や量の違いが出ます。
他の例では、国語のテストを学校で受けたときに、普通は全員が100点を取ることはありません。
科目を変えても同じことです。問題の読解力や記憶してる知識量によって回答は変わります。
上記の例のような差は予測モデルの差・違いとして捉えることが可能です。
また、予測モデルについては当シリーズの認知構造分野で扱っています。
自立とは何を前提にすることか
人への優しさないよりはあった方がいいものですし、そういう人が多い方が温かい社会になると思います。
ですが、自立という観点から見ると、優しさだけでは構造的に不利になる場面もあるかもしれません。
優しさの発揮の仕方として共感や思いやりがあります。
状況に合わせて主体的に優しさを発揮してる状態なのか、本当は相手の悪感情を刺激するのを恐れているから優しくしているのかでは優しさの意味が変わってきます。
優しさの理由によっては、自分の考えや意見交換をする発信者としての自己意識を持つ障害となることもあるでしょう。
そもそも、情報を受け取るだけの人と発信者側に回った人とでは、経済的な差ができやすいという構造があります。
特に経済的な自立という人生のテーマがある場合、情報の受け手にとどまる立場と、発信者側に回る立場とでは、結果の出方が異なる傾向が見られます。
自分の価値観が無意識に壁になっていることもあるので、情報発信側になりたい場合で抵抗があるなら、その理由を考えてみるのもいいかもしれませんね。
格差の構造シリーズ・総合ページ
下記の記事は、本記事が属する「格差の構造」シリーズの案内板です。シリーズの趣旨や各個別記事の位置づけを把握できるため、初見の場合はぜひご一読ください。
また、ここまでの社会・格差構造という分野を前提に、体系的に整理した内容もあります。
→ このテーマを体系化している教材ページ
冒頭の前書きを読んで自己判断のもとでご利用ください。






