人が短期的な楽を優先する理由|時間スケールという視点

やらなきゃいけない予定があるのに先送りにするという選択を、誰でも1回はやったことがあるのではないでしょうか。
こうした選択の背景にある時間スケールのずれという構造を本ページで扱います。

また、ここまで読み進めている方は、現象を構造として捉えようとしています。
判断・選択する行為を時間スケールという視点で整理することが、このテーマの出発点です。

なぜ私たちは短期で判断してしまうのか

人は長期的な目標や夢よりも、目先の報酬や結果の方を重視する傾向があります。
例えば

  • 夏休みの宿題を毎日コツコツやるのではなく、夏休みの終わりになってからやること
  • ダイエットで甘いお菓子を我慢しようと思ったけど、結局食べてしまうこと
  • スーパーで買う方が安いけど、コンビニでジュースを買ってしまうこと
  • よく考えずに状況にまあいいかと流されてしまうこと

といったことが挙げられます。

行動経済学においては、現在バイアスや即時性バイアスという用語で説明されています。

つまり一般的にはバイアスによって、時間差で成果の大きさが変わる場合、短期的に獲得できる報酬を選んでしまいやすい構造に人は置かれています。

本当は長期的に判断した結果が良いのは分かっているけれど、目先の楽を選んでしまうというのは誰でも1回はやったことのある行動だと思います。

夏休みの宿題程度のことなら人生に及ぼす影響は小さいかもしれません。
ですが、時代の流れのような長期的構造を短期的視点で評価してしまうと、人生に大きな影響を及ぼします。

時間スケールがずれると何が起きるのか

  • 時代の流れを見据えた選択
  • 目先の生活をどうするかという選択

どちらが良いかは状況によりますが、将来の結果が同じにならないのは分かると思います。

不測の事態を減らしたいと考える場合、社会や時代の変化に目を向けるという選択肢もあります。

ですが、そういう長い目で見る視点というのは、今の生活のやり繰りを考えたり流行に乗ったりする視点では見えにくいです。

そういう時間スケールが分かりやすい例として、ライフスタイルやファッションがあります。
スマートフォンのある生活が普及し、派手なファッションが流行れば、服も生活もアナログやレトロ、シンプルな在り方に回帰する現象が見られます。

「次の流行は何だろう?」と気にする見方と比べると、視点の置き方が異なることが見えてくるかもしれません。

社会や文化のトレンドが揺り戻すという視点があれば、多くの人がどういう選択をするのかが想像できます。

それと同様に歴史に学べと言う人がいるのは、どういう出来事・技術がどんな影響を及ぼして、その時代や社会の常識、人の動きがガラッと変わってしまったのかを想像するためです。また、歴史は繰り返すと言います。

こういった長期的に変化する構造を気にせずに短期的な視点で何事も判断してしまうと、時代や社会の波に流されて、思うようにいかなくなる場面もあるかもしれません。

個人の停滞は本当に能力の問題か

変わろうとしても思うように変われないことで悩む人も多いと思います。
それは個人の能力や性格、努力の問題以外に、脳の構造や時代や社会といった時間スケールの流れに逆らっているからという見方もできます。

成果が見えない期間というのは、時間スケールの異なる流れや見えない構造を知らずに阻まれており、進んでるようで進んでないような状況が続いている結果の可能性もあります。

その場合、個人の問題だと思って気落ちしたり、より頑張ったりする以前に、別の見方が必要になることもあるかもしれません。

なお、この格差の構造シリーズではこういった行動停滞という現象と構造に関する記事もあります。

時間をどう扱うかは立場を決める

ここまでの話で予測できる人・できない人にどういう差ができるかはある程度想像できるのではないでしょうか。

長期的視点やそれを前提とする環境がある場合、ない場合とでは、アクセスできる情報の質に差が出てきます。

なお、格差の構造シリーズでは、人が置かれる格差構造をテーマにした記事もあります。

格差の構造シリーズ・総合ページ

また、ここまで扱ってきた時間スケールという視点を前提に、体系として整理した内容もあります。
→ このテーマを前提に体系化している教材ページ
冒頭の前書きを読んで自己判断のもとでご利用ください。

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